デイサービスで出会った人たち②

こんにちは。【手足のお爪のケアサロン 雫】の三浦智恵美です。

介護福祉士として働くかたわら、健康寿命を延ばすケアネイルをお伝えしています。

私が6年間働いたデイサービスで出会って、忘れられない方のお話をしたいと思います。


80代だったと思います。女性の利用者様でALS(筋萎縮性側索硬化症)の方でした。
⁡ALSは、身体を動かす筋肉や呼吸に必要な筋肉が段々とやせていき、徐々に身体が動かせなくなる病気で、難病指定されています。


その方がデイに来た時は、足に症状が出ていて車椅子に乗っていました。なんとか立ち上がり、トイレなどには行けていましたが片足はほとんど動かせない状態でした。手にはまだ症状が出ていませんでした。


初めてデイに来られた時からにこにことしておられましたが、お話してみるとこの病気の宣告を受けた時から何もかも諦めてしまったようで「これは業の病気。私がなんか悪いことしたんかなぁ…」といつも言っておられました。


自宅の状態も悪く、家の中から車椅子で出ることが出来ず、歩かなければいけませんでした。


職員がスロープを設置したりと介助をしていましたが、同居していたのは高齢のご主人だったので歩けなくなったら施設に入所しなければならない状態でした。


どうせ悪くなる一方だからとリバビリにも消極的でした。


デイでは手作業に力を入れていて、毎月壁画や天井飾りを作ったり折り紙や縫い物をしていました。この方と仲良くなった方も色々と作っていたので一緒に作ってみませんか?と声をかけたのですが「私はいいわ」とのことでした。


無理にしてもらうことでもないので、わかりましたと言ってこの方とはよくお話しをしていました。そんな感じでしばらく経った頃いつも通りに他の方が折り紙を作っているのを見ていた時に


「私もしてみようかな。教えてもらえる?」

と言われたんです。


私は嬉しくなって、熱心に教えていました。


ALSは認知機能にあまり影響を及ぼさないと言われています。その方は手にはあまり症状が出ていなかったため、誰よりも覚えが早くて上手でした。そこからは熱心に色んなものを作られていました。


「ここに来た時は、何もしたくなくてみんなが色々作ってるのを見てもふーんて思ってたんやけど、やってみるとすごく楽しいし、できたら嬉しい」


と言っておられました。


その後、私が退職する事になりとても残念がってくれましたが、私が介護美容の勉強をする事を話すととても応援してくれました。


しばらくして職員からその方が施設に入られたことを聞きました。自宅で過ごすのはむずかしくなってしまったようです。


現在、身体の状態がどうなっているのかわかりませんが、施設で誰かと一緒に何か作ることが出来ているといいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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