デイサービスで出会った人たち①
こんにちは。【手足のお爪のケアサロン 雫】の三浦智恵美です。
介護福祉士として働くかたわら、健康寿命を延ばすケアネイルをお伝えしています。
今回は私が6年間働いたデイサービスで、出会った利用者様で忘れられない方のお話をしたいと思います。ここでは祖母と再会し、介護の仕事の魅力ややりがいに気付くことができました。
80代後半の女性の利用者様は、ずっと洋裁をしていた方で着ている洋服は全て自分の手作りでした。
私も洋裁をしていたのでよくお話させていただきました。
デイでは縫い物をしたり、折り紙などの工作をしていましたがその方はやはり縫い物が好きでした。
ある日、私が作ったくまのぬいぐるみを持っていくと、とても気に入られ作り方を教えて欲しいと言われました。
型紙もあったので、まずは一緒に説明しながら作りました。元々器用な方だったこともあり、手縫いで綺麗に縫われお家でも作業され、デイご利用の日は持ってきてリハビリや入浴の合間に作っておられました。
あまりにもたくさん作ろうとしているので話を聞いてみると、もうすぐ孫が結婚するから結婚式に来てくれた孫の友達に渡したいとの事でした。
毎日毎日作業され、30体ほど作ったと思います。流石に身体もしんどいと思い、あんまり無理しないで下さいねと言うと
「私がしたくてやっているし、する事がないよりよっぽどいいんよ」と言われてしまいました。
ずっと洋裁をされていて生地はたくさんあったので、中に入れる綿だけ一緒に住んでいるお嫁さんに買ってきてもらっていました。
全部完成すると「なんとか全部出来たよ。また報告するね」と言ってくれました。
そして結婚式の後のご利用日に、「孫も孫の友達もとても喜んでくれたよ」と教えてくれました。
その方とは一緒に色んなものを作りました。私が教えてもらう事もたくさんありました。
その方の自宅は高い位置にあり、玄関から長く急な階段がありました。杖歩行の方で、その階段をなんとか降りていましたが、段々と難しくなり車椅子の状態になると老健に入る事になりました。
同じ法人内の老健だったのでそこの職員から「リハビリを頑張って家に帰って、またデイに行って三浦さんに色々教えてもらいたい」って言って頑張ってるよと教えてもらいました。
でも、その職員は多分難しいかなと言っていました。
私か退職する時もその方が自宅に戻れる事はありませんでした。年齢もその時には90歳に近かったと思います。
私にまた会うためにリバビリを頑張ってくれているなんてこんなに嬉しい事はありませんでした。
その方と一緒に作ったものを、今の職場で利用者様とたくさん作っています。一緒に作業しているとよくその方のことを思い出します。
身体的や介護や生活的な介護だけではなく、その方の好きなことだったりしたいことを一緒にできたことがとてもうれしかったです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。